東京建築研究所は、建築構造専業の設計事務所として1952年に創業しました。
戦後から復興期にかけ、相次いで建築の総合設計事務所が誕生しましたが、当社と同様の形態の事務所は数少ない状況でした。あわせて当時は近現代的な構造設計の黎明期でもあり、規基準の整備も道半ばで、当社はその草分けとしての役割を担ってきたと自負しています。
以来、建築構造を主な範疇として設計者の立場で様々な事業に参画してきました。中心的に取り扱う案件として、鉄道や下水処理施設などのインフラ施設が挙げられます。これらは性能としては高いレベルでの安定的な継続運用が求められ、計画面では既存施設の増改築となることが多く、場合によっては他の土木構造物と構造的に複合することもあるなど、一般の建築物と異なる特徴を有しています。こうした複雑系の構造物を構築するノウハウを長年の実務を通じて積み上げてきました。
超高層建築物や免震・制振建築物の構造設計については、1983年に日本初の免震建築物を共同で実現したのを皮切りに、その後約60棟の設計を行ってきました。1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災の際には、地震に対するその優れた性能が実証されることになり、社会的な評価を得ました。また、木造、煉瓦造などの歴史的建造物についても、レトロフィットによる文化遺産保存の取り組みに携わってきました。
昨今の気候変動により、地震をはじめとする気象災害の激甚化が顕著となる一方で、ストックの老朽化はもとより、高度化、高密度化により建造物の外乱に対する敏感性は高まり、機能維持や更なる有効利用のハードルは著しく高まっています。またAIの普及などの急速な技術革新により、設計もその業容が大きく変化することが予見されますが、このような時代にこそ、社業を通じて培ってきた知見が重みを増してくるものと考えます。
私たちが持つ設計力をこれからの新技術と融合し、新たなサービスを提供していくことにより、今後も社会貢献を果たしてまいります。